独白シズちゃんの逆バージョン。
こっちもまだゆっくりと、それでも頑張ろうとするのは若さゆえ?そう思ってる。アハハハハ(´∀`;
午後の授業は腹具合も手伝って、どこかゆったりとした時間が流れていく。
黒板で跳ねるチョークの音にリズムを乗せるように、先生の声が心地よく教室に響く。
帝人は走らせていたペンを止めて、器用に指の上で回すと何となく窓の外を見た。
見えるのは、いつものサンシャイン60。
たまに光を返すビルの窓に目を細めながら彼の人を思った。
――今日はいるかな。
よく通る帰り道、仕事でいることが多い。
昼では目立つバーテン服に金髪、見掛けを更に強面にするために掛けられたサングラスという姿に恐れを成して声を掛ける人は皆無。
そんな中、少しだけ胸を高鳴らせながら駆け寄るのが当たり前になった。
こんにちは、と挨拶すれば返してくれる、それだけでも嬉しかった。
自分の心だけじゃなく、相手も近づいて来ていると感じる心が幸せに包まれた。
だからこそ、僅かながら出てくる欲には逆らえない。
――今日こそ、もっと……。
バーテン服の彼の人に思いを寄せて、今日も放課後が待ち遠しい。
教室を吹き抜ける風に少しだけ、夏の気配を感じた。
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