静雄さん独白風。つかポエム、アハハハハ（´∀｀；
きっと、ゆっくりその存在を気に掛けている。そんな気がしてる。

『会いたい』と思う気持ちって、普通と思っていいんだよな。


ガキの頃からずっと池袋界隈から出た記憶がない。
学生時代もそうだし、働き出してからもずっと池袋界隈にいる。
だから自分の世界は狭いと思う中で、出会った一人の少年がいる。

そいつは俺を見つけると、嬉しそうな顔をする。
最近はそれを見て俺も心が綻ぶのを感じるんだ。
弟をテレビの向こうで見た時とも違う感覚を何と呼ぶのか俺は知らない。

街中で同じ制服で似たような背格好を見たら目線がそこに飛ぶ。
居そうな所では何気なく視線が探している。
会わない日、それが当たり前の日常だったのに今ではどこかぽっかりしてる感じっていうか、当たり前ではなくなっていた。

ある夜、部屋でふと一人呟いていた。
「今日は会わなかったな」
煙草を燻らせて、明日は会えるかな、なんて思いながら窓を閉めると布団に入り目を瞑った。


そして今日もまた、少年がこっちを見ると駆けてきて嬉しそうに顔を綻ばせる。
「静雄さん、こんにちは」
「おぅ、今帰りか？」
その笑顔につられるように柔らかく笑いかけると、くわえていた煙草の火を消した。